腰痛について

こんにちは。

北九州八幡西区則松のアールリハビリクリニック院長 白石純一郎です。

今回は腰痛についてお話しさせて頂きます。

腰痛とは？

腰痛とは腰の周囲（第12肋骨と殿溝下端の間）に生じる痛みの症状を指します。

一生涯に80%以上の人が腰痛を経験するとされており、私たちにとってとても身近な整形外科関連の問題の一つと言えます。

腰痛の原因

腰痛を生じる原因は表1に示すように様々なものがあります。

脊椎や筋肉に由来する腰痛が多いのですが、時として大きな病気が隠れていることもあります。

そのため、診察では「いつから痛いのか」「どのような時に痛むのか」「どのような痛みなのか」「これまでにどのような病気にかかっていたか」など、患者さんから頂く情報が大事になります。

ですので、腰痛でお困りの患者さんが来院した際は、必要な検査に加えて問診をしっかりと行い原因の特定を進めていきます。

そして原因に応じて、患者さん個々人に適した腰痛の治療や腰痛のリハビリテーションを実施してい句ことが重要となります。

腰痛の分類

腰痛は発症からの有症期間に応じて表2のように分類されます。

急性腰痛は重たい物を持ち上げた時、体を捻った時などに経験することが多いです。

いわゆる「ぎっくり腰」も急性腰痛の一つです。

一方、慢性腰痛は悪い姿勢でのデスクワークが続いた時、腰に負担のかかる仕事やスポーツを続けていると生じることがあります。

腰痛の自然経過

先ほど説明したように腰痛は急性腰痛と慢性腰痛に分類され、自然経過も両者で異なります（図1）。

上の図の赤棒は急性腰痛の自然経過を、青棒は慢性腰痛の自然経過を示しています。

図を見て頂くと分かるように、急性腰痛では自然経過は良好であり症状が自然と落ち着いていきます。

一方、慢性腰痛では急性腰痛と比較すると症状が持続する傾向にあります。

激痛が長く続くわけではありませんが、軽度から中程度の痛みが持続することになります。

急性腰痛にしても、慢性腰痛にしても、日常生活や仕事に大なり小なり支障を生じます。

そしてそのことによって生活の質が低下してしまいますので、適切に治療やリハビリテーションを行うことが重要になります。

なかでもリハビリテーション・運動療法（有酸素運動、筋トレ、ストレッチなど）は腰痛に対して有効であることが知られています。

ここから急性腰痛と慢性腰痛に分け、それぞれのリハビリテーション・運動療法について簡単に説明させて頂きます。

急性腰痛のリハビリテーション・運動療法

急性腰痛では自然経過は良好で、症状が自然と落ち着くと述べましたが、その痛みは数週間から数ヶ月は持続しますのでその間の苦痛を和らげるための対処法は必要です。

急性腰痛時にはリハビリテーション・運動療法を積極的に行うというよりも、痛みに合わせて可能な限り通常通りの生活を継続するということが大事になります。

安静はダメです。

しかし、痛みがある中で通常通りの生活をするというのは簡単なことではありません。

当院では急性腰痛の患者さんに対して痛みを生じない動作の指導をおこない、通常どおりの生活を継続するためのお手伝いをいたします。

痛みがある程度落ち着き、通常どおりの生活を継続できるようになってくれば、そこからリハビリテーション・運動療法を負荷量に注意しながら進めて行きます。

慢性腰痛のリハビリテーション・運動療法

慢性腰痛に対してはリハビリテーション・運動療法が有用です。

このことは腰痛診療ガイドライン2019 改訂第2版にも明記されています。

運動療法とは、有酸素運動、筋力増強運動（筋トレ）、ストレッチ、体操などを指すのですが、自身で身体を動かす運動が慢性腰痛には有効ということです。

「腰痛の治療といえばマッサージ」「腰痛の治療と言えば赤外線やホットパック」と思われている方が世間には多く、医療機関で提供される腰痛のリハビリテーションとしてもマッサージやホットパックが行われることが多いです。

確かにマッサージもホットパックも痛みの軽減には効果がありますが、これだけしか行わないというのは決して望ましくありません。

慢性腰痛のリハビリテーションとしては、マッサージやホットパックなどに加えて、運動療法を行うことが重要となります。

当院では慢性腰痛患者さんに対してマッサージやホットパックに加えて、患者さん個々人の状態に合わせて運動療法を提供しております。 それに加えて、急性腰痛の場合と同様に、痛みを生じない動作の指導をおこない、通常どおりの生活を継続するためのお手伝いをいたします。

おわりに

腰痛に対する理解は深まりましたか？

「腰痛が生じても可能な限り身体を動かす（運動療法をする）」「安静はダメ」ということだけでも覚えていただけますと幸いです。

腰痛でお困りの方、また腰痛以外にも整形外科に関する身体の不調でお困りの方は是非当院にお越しください。

スタッフ一同皆様の来院を心からお待ちしております。

北九州市八幡西区則松6丁目15-38

アールリハビリクリニック

院長 白石純一郎

参考資料

参考資料　腰痛診療ガイドライン2019 改訂第二版, 南江堂, 2019